2014年9月7日日曜日

VVT故障(ミラ) 『エンジンの調子が・・・あ、止まった』(-_-;)

ミラさんが、エンジンの調子が悪いそうで積載車で入庫です。

『エンジンの調子が悪く、走行できないんです。』

『時々、エンジンの警告灯も点灯するので、点検お願いします。』

症状を確認。

エンジンの調子が悪すぎる・・・・・。

エンストするし、吹け上がりも悪い。

積載車で来る理由もわかります。

これは、まともに走行できない。(ノД`)・゜・。

『症状は確認しましたので、お預かりしま~す。』

点検開始。

エンジンの警告灯が点灯したらしいので診断機で点検。

VVT(バリアブルバルブタイミング)異常の故障コードが残っています。

VVT故障の考えられる原因といえば、
『OCV(オイルコントロールバルブ)作動、油路の詰まり』
『ECU(エンジンコントロールユニット)からの作動信号不良』
『VVT本体の故障』
このあたりと想像されます。

まずは、コンピュータからの信号をオシロスコープで点検。

波形は正常で特に問題なし。
(写真は撮り忘れたので問題ありかな。)

OCVのフィルターの詰まりと作動も、問題なし。

ということは、あとはVVT本体の可能性が高い。

ある程度、エンジン関係を分解しないと点検できないので苦労しそうです。(´Д`)

とり合図、お客さんに連絡。

VVT本体の点検料の連絡も済んだし心置きなく分解できます。

まずは、タペットカバーを取外し。


次に、タイミングベルトの取外し。

カムシャフトタイミングギヤのマークを合わせます。

クランクシャフトタイミングギヤのマークも合わせます。

マークを合わせたらタイミングベルトを外します。

外し終わったら、カムシャフトタイミングギヤ外して、シザーズギヤ固定です。

トヨタのハイメカツインカムはボルトでシザーズギヤ(2枚のギヤ)を固定しないと後で面倒です。

そして、カムシャフトの取外し。

カムシャフト外す前に、カムシャフトの左右のギヤのマークを合わせます。

カムシャフトを取り外したら、VVTを取り外します。



VVTのロックピンが倒れています。

ロックピンに引っかかりなどがあると吸気の進角、遅角ができなくなってエンジン不調になります。

VVT外したときに倒れただけなのか。

確認、確認。

うわっ

カムシャフトのロックピンの入る穴が壊れています。



VVT本体の方も確認。

はい、削れています。


この削れによってロックピンが倒れて引っかかり、VVTが動かなくなることで、エンジン不調になったようです。

部品の強度が足りないのかわかりませんが、普通に乗っていて、こうなるとは恐ろしい。

お客さんに連絡すると、部品代も高くつくし修理しないとのことで、残念です。

すべて、組み付けて納車しました。

『さようなら~、点検、分解工賃はくださいね~』