2014年9月29日月曜日

スワールコントロールソレノイド不良(グロリアMY34) 『エンジン警告灯が消えません』(/_;)

グロリアさんが入庫されました。


・・・・問診、症状確認・・・・

『エンジン警告灯が点灯して消えないんです。』

『エンジン警告灯は1度消したのですが、また点灯しました。』

『時々、エンジンが2500回転ぐらいの時に回転数が上下してハンチングみたいになるんです。』

『お車、見させていただきますね。』

エンジン警告灯は、点灯しています。

エンジンのハンチングは、2500回転ぐらいまで回してもハンチングしません。

数度、繰り返したが症状確認できません。

『ハンチングは確認できないので、難しいですね。』

『ハンチングはエンジン警告灯との関連性があるかもしれませんし、まずは、エンジン警告灯から点検しますね。』

『はい、原因が解ったら連絡ください。』

『では、お車お預かりします。』



・・・・作業開始・・・・

エンジン警告灯が点灯しているので、何処の系統に異常があるか、診断機を使用してチェックします。


故障コード P1130 スワールコントロールソレノイド制御系のようです。

スワールコントロールソレノイドを整備書で確認。

スワールコントロールバルブという吸入空気をの流れを調整して渦流を作る部品があります。
その制御を行っているスワールコントロールソレノイド関係に異常があると、この故障コードP1130が入力され、エンジン警告灯が点灯するようです。

また、スワールコントロールソレノイドはエンジン2000回転以上で作動するようです。

故障コードを1度消して、エンジン始動。

エンジン回転を2000回転以上を数回繰り返すと、エンジン警告灯が点灯しました。

診断機で再度点検すると。

故障コード P1130 スワールコントロールソレノイド制御系。

間違いないようです。

診断機のデータ表示でスワールコントロールソレノイドの作動状態を確認。


上から3番目スワールCONT S/VがON


上から3番目スワールCONT S/VがOFF

警告灯不灯時(正常時)
アイドリング時 OFF
エンジン回転2000回転以上 ON

警告灯点灯時(異常時)
アイドリング時 OFF
エンジン回転2000回転以上 OFF

スワールコントロールソレノイドが動いていないようです

故障コード消して、再度データ確認します。

あ、あれ

故障コード消しても、すぐに故障コードP1130が出てきます。

完全に壊れたようです。

少し、焦りましたが、完全に壊れてもらった方が調べやすく好都合。(^^)v

スワールコントロールソレノイドの電圧点検します。

まずは、コネクターに測定端子を差し込んで準備します。


そして、テスターを接続して診断機も準備。


準備完了です。

後は、診断機のアクティブテストという項目で、コンピュータからスワールコントロールソレノイドをONしなさいという信号を強制的に出させます。

アクティブテストでスワールCOVT S/Vを強制的にONします。


 電圧は約12V(写真は撮り忘れました。)(-_-;)

アクティブテストでスワールCOVTS/Vを強制的にOFFします。


同じく、電圧は約12Vで、ONしてもOFFしても変化がありません。

ソレノイドの両端で電圧を計っているので、ONの時は12VでOFFの時は0Vになるはずですが、変化がないのでスワールコントロールソレノイドが怪しいです。

ソレノイド本体にテスターを当てます。






∞Ω(オーバーレンジ)です。 基準値:28Ω (気温20℃)

心配性なので最後に疑似抵抗をコネクタに取り付けて警告灯が消せるか確認します。


今回は15Ωの疑似抵抗を入れました。

診断機で故障コードを消去します。

無事、消去できました。

スワールコントロールソレノイドの故障で間違いないようです。

スワールコントロールソレノイドを交換します。


作業しやすい場所にあり、交換は簡単です。

交換作業時間は5分ぐらいで完了しました。

診断機でスワールコントロールソレノイドの作動確認しましたが、問題なしです。

次に走行テストします。

1時間ぐらい、エンジン回転を3000ぐらいまで回しながら走ってきました。

エンジン警告灯も点灯せず、ハンチングも起こりません。

どうやら、故障は改善されたようです。

エンジン回転2000回転で、スワールコントロールソレノイドが作動するので、2500回転でハンチングは、関連性がある可能性があります。

お客さんに状況を説明し、症状の確認ができないハンチングに関しては、様子を見ていただくことになりました。

とり合図、エンジン警告灯の点灯は、修理完了です。

ハンチングに関しては、症状が確認できず心残りですが、お客さんに納車します。

『ハンチングも改善されていますように~』(-_-)/~~~





2014年9月19日金曜日

エアコンアンプのアース線不良(ランドクルーザ70) 『冷たい風が出てこない』(;´Д`)

ランドクルーザーさん入庫。


・・・・問診&症状確認・・・・


『エアコンの風が急に温くなるんです。』

『急にということは、冷たい時もあるのですか。?』

『走り出して少しすると、温くなります。』

『とり合図、症状確認しますね。』

エアコンスイッチON~。

冷たい風がでています。

10分ぐらいすると・・・・。

カチッ

音が聞して少し経つと風が温くなってきました。

マグネットクラッチがOFFしています。

参考写真で、OFFした時の写真ではありません。

『マグネットクラッチがOFFして、冷たい風が出なくなるようですね。』

『お車お預かりします。点検して原因が分かり次第ご連絡します。』



・・・・作業・・・・

マグネットクラッチがOFFして、その後ONしないことが原因と思われるので、そこから、攻めていきます。

マグネットクラッチの作動電圧を点検します。


エアコンが効かない時は、0Vになっています。

電気が来ていないようです。

次は、マグネットクラッチに作動電圧を出しているエアコンアンプを点検します。

0Vです。

エアコンアンプからも作動電圧が出ていないようです。

『エアコンアンプが、壊れているのか。』
『エアコンの作動条件がそろっていないのか。』

1つ1つ点検していくしかなさそうです。

困ったな~。(;´Д`)

配線図、整備書を見ながら作動条件を確認していきます。
『エアコンアンプ電源』
『エアコンスイッチ信号』
『エアコン温度センサー信号』
『冷媒圧力信号』
『水温信号』
『エンジンコンピュータからの信号』
『アース』
上記の信号がエアコンアンプに入力して、電源とアースがとれていればエアコンアンプからマグネットクラッチに作動電圧が出るようです。

症状発生時に点検していきます。

『エアコンアンプの電源』約12V良好です。

『エアコンスイッチ信号』も正常時と異常時に変化はなく、良好です。
エアコンスイッチOFF 2.95V
エアコンスイッチON全開 1.16V
エアコンスイッチはON、OFFだけでなく、ツマミを回すことで効き具合も調整できるようになっているみたいです。

『冷媒圧力センサー』を点検します。


冷媒圧力センサーは、すでに壊れているようで、作動するように直結してありました。
アンプへの入力電圧も良好です。約12V

『エバポレータ温度センサー』『エンジンコンピュータからの信号』『水温信号』ともに、エアコン正常時と異常時に変化はないため、良好です。


いよいよ、最後に『アース』点検。

配線図によると、エアコンアンプからアース線は2本出ており、エアコン温度センサーのアースと途中で合流して1本になっています。

おっ

エアコンアンプから出ているアース線の1本が抵抗∞Ωです。


正常時にコネクタ外して確認すると。


0Ω

正常時はアースがとれている。

怪しい。(p_-)

異常発生時に、このアース線をボデーアースしてみます。

おお~

マグネットクラッチが作動して、冷たい風が出てきます。

どこで、断線しているのか。

エアコンアンプのもう1つのアース線は、しっかりとアースに落ちているため、アースの合流地点までの断線と考えられます。

お客さんに連絡して、アース線を取り直すことにしました。

取り直すといっても、エアコンアンプのアース線2本の1本は生きているので、それをエアコンアンプ出てすぐに合流させます。


アース線取り直し後、作動確認。

1時間たっても、異常なし。

2時間たっても異常なし。

エアコンは冷たい風が出て、良好のようです。

お客さんに説明して納車。

今回は部品代がかからず、工賃のみで安く仕上がりました。

お客様も大満足で、良かったです。

『またのご来店、お待ちしております。』

2014年9月15日月曜日

ヘッドライトディスチャージバルブ不良(アトレー) 『暗い・・・明かりをください。』(@_@)

アトレーさんご来店です。

・・・・問診&症状確認・・・・

『ヘッドライトが、突然消えるので、点検してください』

どれどれ、ライトON。

約15分後、右ヘッドライト(ロービーム)消えました。

よく見ると、アトレーさんは、ディスチャージバルブです。

ディスチャージヘッドライト仕様があるんですね。

『右側だけが消えるのですか。?』

『いえ、左も消えます。1回、スイッチをOFFにすると点灯はできます。』

スイッチOFF。そして、ON。

右ロービーム復活。(@_@;)

『症状はわかりましたので、お預かりします。』

『高電圧部の故障の場合は、部品交換してみないとわからない場合がありますので、その時はご連絡させていただきます。』



・・・・作業開始・・・・

ヘッドライトスイッチON~。


点灯良好。

約20分後。


はい、右ロービーム消えました。

右が良く消えるので、右側から攻めてみます。

バンパーと右ヘッドライトを外します。




右ロービームの作動電圧を測定したいので、セッティング開始します。

まずは、右ロービームのプラス側とアース側に測定端子を差し込みます


そして、テスターをセット。



ライトスイッチON

右ロービーム点灯時の電圧測定。


約13.7V 

ライトが点灯しているので、もちろん、電圧あります。

はい、約20分ぐらいでライト消えました。

消えたときの電圧測定。


約14V 電圧あります。

電圧があるのに消えています。

高電圧部の不具合ですね。

もう一度、確認したいので、スイッチを一旦OFFにして再度点灯させます。

今度は、なかなか消えないと、思ったら左ロービームが消えています。(;一_一)

これならどうだ。


もう、どちらが、消えても大丈夫。

はい、左消えました。

消えたときの電圧測定。


約14V 電圧あります。

ここから先は
『ヘッドライトコンピュータ(バラスド)』
『配線』
『ディスチャージバルブ』
しかありません。

不具合箇所を絞り込みたいが、高電圧部で点検できない。(-_-;)

しかも、左右とも消えるので、左右のディスチャージバルブ入れ替えても意味がない。

困ったな~。(^^ゞ

まあ、配線だけでも点検します。


接触抵抗もなさそうだし、問題なさそうです。

ディスチャージバルブを交換して様子を見ることにします。

お客さんの了解を得てディスチャージバルブ交換。


そして、点灯確認。


1時間放置。

消えません。

再度、スイッチOFF、ONして2時間放置。

消えません。

ディスチャージバルブ・・・怪しい。(;一_一)

新車購入して5年間ディスチャージバルブは交換していないとのことで、単なるディスチャージバルブの寿命だった気がします。

市販の安いディスチャージバルブは1年ぐらいで寿命を迎えることがあるそうです。

今回は、お客さんに納車して様子を見てもらうことになりました。

ヘッドライトが消えないことを祈ってお客さんに納車しま~す。

『南無~』

2014年9月11日木曜日

エアコンコンプレッサ分解(オデッセイRB1) 『なんとなく、見てみたい』ヽ(^。^)ノ

なんとなく、興味が湧きエアコンコンプレッサを分解してみました。

いい具合に、先月、エアコンの不具合で交換したコンプレッサが余っていたので、それを頂きました。(^^)v

『いただきま~す』


大きく分けてマグネットクラッチ部分コンプレッサ部分の2つの部品でできています。

この2つまでは、普段も各部分ごとに交換しています。



・・・・作業開始・・・・

マグネットクラッチ部分を分解していきます。

センタボルトから外します。


センタピースが外れ、次にスナップリングを外します。


ロータプーリを外します。


もう、1つスナップリングを外し、フィールドコイルを外します。

この、フィールドコイルに電気を加えると磁石になります。


マグネットクラッチ部分は分解終わりです。


コンプレッサ部分の分解に入ります。

まずは、ボルト5本外して、フロント部分の分解です。


部品は左から順番に外しています。

リヤ部分の分解行きます。


上から2列目の部品がリヤ部分です。

外した順序は左から順番です。

似たような部品でできています。

最後に、ボルト2本外して真ん中のつなぎ目から割ります。

パカッ


5個ピストンが出てきました。

裏側も同じようなピストンになっているので、全部で10ピストンで良いのかな。?

コンプレッサ部分の部品を確認します。


細かい、部品の名称はわかりません。(-_-;)

以上でコンプレッサ部分の分解終わりです。

さて、満足したので組付けます。

最後に、普段もやっている作業になりますが、マグネットクラッチのすき間の調整をやってみます。

シムという部品を交換することで、すき間を調整します。

シムは0.1mm、0.3mm、0.5mmがありますので、このシムを組み合わせて、すき間を基準値内に調整します。


中心に乗っているのがシムで、組付けの際、真ん中の穴に入れます。

測定するので、準備します。

シックネスゲージで測定する場合もありますが、今回は、ダイヤルゲージ、マグネットスタンド、バッテリを使い測定します。



電気を加えて、マグネットクラッチがONした時のセンターピースの移動量を測定します。

この車の基準値は0.35~0.60mmです。

フィールドコイルが壊れていれば動かないので、フィールドコイルの点検も忘れずに。

フィールドコイルの抵抗の基準値は3.9~4.3Ω(20℃)です。

調整が終われば作業完了です。


コンプレッサーさん壊れた後も、私の「わがまま」にお付き合い、いただきありがとうございました。

私は、満足致しましたので、お休みください。

『コンプレッサーさん,ありがとう。』

そして、さようなら~』

2014年9月9日火曜日

フロントハブベアリング交換(ワゴンR)  『ベアリングがゴロゴロ』(;一_一)

ワゴンRさんのフロントハブASSYが入品?。


・・・・問診&症状確認・・・・


『フロントハブベアリンング交換、お願いします。』

確かにベアリングがゴロゴロしてて、悪そうですが部品だけの持込なんですね・・・・(-_-;)



『はい、お預かりします。』



・・・・作業開始・・・・

油圧プレス機に、セットします


ハブに圧力をかけて、抜き取ります。


ハブが抜けました。

ハブベアリングを抑えているスナップリングを外します。


スナップリング外れました。


いよいよ、ハブベアリングを抜き取ります。




抜けたら、最後にハブに残ったハブベアリングのインナーレースをプーラーで外します。


分解完了です。


新品ベアリングを組付けます。

整備書によると、ゴムのシール側が車両の外向きということなので、セットします。


油圧プレス機にセットして圧入~。


20M㎩付近まで、私は圧力をかけます。


スナップリング装着。


ハブを圧入します。(目安 20M㎩付近)


ハブの回転も確認します。


完成しました。


ハブベアリング交換1個当たり30分ぐらいかかりました。

今回はフロント2個だったので、作業時間は1時間ぐらいでした。

お客さんに納品して作業完了です。

『お待たせしました~』