・・・・問診&症状確認・・・・
『エンジンのかかりが悪く、時々まったくかからない時があるんです。』
症状を確認。
キュン、キュン、キュン
エンジンは回っているが、かかる気配がないですね。
おっ
かかった。
クランキングして15秒ぐらいで、かかりました。
通常、5秒もあればかかりそうなものですが、かかりが悪いです。
『お預かりして、点検しま~す。原因が解り次第ご連絡しますね。』
・・・・作業開始・・・・
クランキングします。キュン、キュン、キュン、キュン、キュン
おっ
かかりました。
エンジンかかるまで、15秒~20秒ぐらいかかります。
その間、初爆もなく、かかる気配が全くないので、燃料か火花が全く出ていないのかな。
火花、燃料がでていれば、調子が悪くてエンジンかからなくても、エンジン内で燃えて爆発してるような症状が出るはずです。
イグニッションコイル外して火花の点検します。
最近愛用している工具『プラグギャップテスター』で火花確認。
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こんな感じで火花を点検できます。 今回の作業写真ではありません。
オシロスコープで点火信号確認。
エンジンコンピュータから信号も来ていないようです。
スパークプラグ外して臭いを嗅いでも、ガソリン臭くありません。
燃料も来ていないようです。
点火信号が出ずに、燃料も来ていない。
整備書によると、クランク角信号やカム角信号をエンジンコンピュータが確認できないと点火信号や燃料ポンプを作動させないようです。( ..)φメモメモ
また、この車はTDC(トップデットセンター)センサーというものがクランク角センサーとカム角センサーの役割をするようです。
では、オシロスコープでTDCセンサーの波形を確認します。
エンジンのかかる時とかからない時の波形の比較をしてみます。
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異常時、エンジンがかからない時の波形です。
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正常時、エンジンがかかる時の波形です。
このTDCセンサーは、3ピンコネクタです。
『電源線』→コネクタつないだ状態でキーON時 約12V
『信号線』→コネクタ外した状態キーON時 約5V
『アース線』→コネクタ外した状態でボデーアースと約0Ω
この3本からなっています。
さっそく、TDCセンサーの電源、配線点検します。
↑
電源線、信号線、アース線をテスターで点検
すべて、正常です。
TDCセンサーの作動条件は揃っているのに波形が出ないとなるとTDCセンサーの故障の可能性が強いようです。
お客さんに確認を取って、TDCセンサーを交換します。
見た目は、壊れてなさそうですが交換すると・・・・。
はい、すぐにエンジンがかかります。
今までエンジンのかかりが悪かったのも直っています。
クランキング始めた時から、TDCセンサー波形も点火信号波形も正常に出ています。
1時間ばかり走行テストを繰り返して様子を見ても異常なし。
お客さんに連絡して納車。
『お大事に~』