『エンジンの調子が悪く、走行できないんです。』
『時々、エンジンの警告灯も点灯するので、点検お願いします。』
症状を確認。
エンジンの調子が悪すぎる・・・・・。
エンストするし、吹け上がりも悪い。
積載車で来る理由もわかります。
これは、まともに走行できない。(ノД`)・゜・。
『症状は確認しましたので、お預かりしま~す。』
点検開始。
エンジンの警告灯が点灯したらしいので診断機で点検。
VVT(バリアブルバルブタイミング)異常の故障コードが残っています。
VVT故障の考えられる原因といえば、
『OCV(オイルコントロールバルブ)作動、油路の詰まり』
『ECU(エンジンコントロールユニット)からの作動信号不良』
『VVT本体の故障』
このあたりと想像されます。
まずは、コンピュータからの信号をオシロスコープで点検。
波形は正常で特に問題なし。
(写真は撮り忘れたので問題ありかな。)
OCVのフィルターの詰まりと作動も、問題なし。
ということは、あとはVVT本体の可能性が高い。
ある程度、エンジン関係を分解しないと点検できないので苦労しそうです。(´Д`)
とり合図、お客さんに連絡。
VVT本体の点検料の連絡も済んだし心置きなく分解できます。
まずは、タペットカバーを取外し。
次に、タイミングベルトの取外し。
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カムシャフトタイミングギヤのマークを合わせます。
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クランクシャフトタイミングギヤのマークも合わせます。
マークを合わせたらタイミングベルトを外します。
外し終わったら、カムシャフトタイミングギヤ外して、シザーズギヤ固定です。
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トヨタのハイメカツインカムはボルトでシザーズギヤ(2枚のギヤ)を固定しないと後で面倒です。
そして、カムシャフトの取外し。
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カムシャフト外す前に、カムシャフトの左右のギヤのマークを合わせます。
カムシャフトを取り外したら、VVTを取り外します。
VVTのロックピンが倒れています。
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ロックピンに引っかかりなどがあると吸気の進角、遅角ができなくなってエンジン不調になります。
VVT外したときに倒れただけなのか。
確認、確認。
うわっ
カムシャフトのロックピンの入る穴が壊れています。
VVT本体の方も確認。
はい、削れています。
この削れによってロックピンが倒れて引っかかり、VVTが動かなくなることで、エンジン不調になったようです。
部品の強度が足りないのかわかりませんが、普通に乗っていて、こうなるとは恐ろしい。
お客さんに連絡すると、部品代も高くつくし修理しないとのことで、残念です。
すべて、組み付けて納車しました。
『さようなら~、点検、分解工賃はくださいね~』